
導入
VPNというと「セキュリティに詳しい人が使うもの」という印象があるかもしれません。ただ最近は、ゲーム配信をする人や、海外サーバーのゲームを遊ぶ人にとっても現実的な選択肢になっています。
この記事では、大手VPNサービスのNordVPNを例に、ゲーマーや配信者にとってVPNが役立つ場面、料金プラン、逆に期待しすぎてはいけない点を、公式情報をもとに整理します。
結論を先に言うと、VPNは「回線を速くする道具」ではありません。役割は、IPアドレスを隠して身バレや攻撃を防ぐことと、接続先の国を変えることです。この2つに心当たりがある人には、月数百円から始められるNordVPNは検討する価値があります。
VPNでできること・できないこと
先に期待値の調整をしておきます。
できること:
- 接続先から見えるIPアドレスを、VPNサーバーのものに置き換える (自宅のIPを隠せる)
- 通信を暗号化する (フリーWi-Fiなどでも中身を覗かれにくい)
- 海外のサーバー経由で接続し、その国向けのサービス表示に切り替える
できないこと:
- 回線速度そのものを速くすること。VPNは経由地点が増えるため、Pingや速度は基本的に「速くはならない」ものです。速いサーバーを選べば劣化を小さくできますが、回線の改善が目的ならONUやルーター、回線自体の見直しが先です。
場面1: 配信者・VTuberの身バレ対策
ゲーム配信やVTuber活動では、自宅のIPアドレスが漏れることが、そのまま個人の特定リスクにつながります。IPアドレスからは契約プロバイダや大まかな地域が分かるため、他の情報と組み合わさると居住エリアの推定材料になります。
IPが漏れる経路として知られているのは、P2P接続を行うオンラインゲーム (対戦相手にIPが見える場合がある)、一部の通話ツール、そしてIPを起点にしたDDoS攻撃 (大量の通信を送りつけて回線を落とす攻撃) です。
VPNを通していれば、相手から見えるのはVPNサーバーのIPアドレスだけになります。NordVPNの公式サイトでも、IPアドレスと仮想ロケーションでDDoS攻撃を防ぐことが案内されています。
この用途で大事なのは「キルスイッチ」です。VPN接続が何らかの理由で切れた瞬間に、本来のIPで通信してしまうのを防ぐ機能で、NordVPNには搭載されています。配信に使うなら、キルスイッチは必ずオンにしてください。
注意点もあります。ブラウザのWebRTCという仕組み経由で本来のIPが漏れるケースが知られているため、ブラウザ版のDiscordなどを使う場合は、VPNだけに頼らずWebRTC側の設定確認も必要です。
場面2: 離れた友達とのLANプレイ (メッシュネット)

NordVPNの少し変わった機能が「メッシュネット」です。自分のデバイス同士や友達のデバイスと、暗号化されたプライベートネットワークを作れる機能で、最大60台までリンクできます。
公式サイトではゲーマー向けのメリットとして、遠くに住む友達とLANゲームを遊ぶ使い方が紹介されています。本来は同じネットワーク内でしか遊べないLAN対戦タイトルを、離れた場所同士で遊べるのがポイントです。メッシュネット自体は無料の機能として提供されています。
場面3: フリーWi-Fiと海外サービス
外出先のフリーWi-Fiは、通信を覗かれるリスクが自宅より高い環境です。スマホやノートPCでゲームのアカウントにログインする場面では、暗号化の意味でVPNが効きます。
また、海外サーバーで先行配信されるゲームや、その国でしか配信されていないコンテンツにアクセスする用途でもVPNは使われます。ただし、各サービスの利用規約に触れる場合があるので、その点は各サービスの規約を確認してください。
NordVPNの料金プラン (2026年10月30日・公式表示)

NordVPNは「ベーシック」「コンプリート」「エリート」の3階層です。VPN機能そのものは全プラン共通で、違いはセキュリティ機能やストレージなどの付帯サービスです。
2年プラン (初回は3か月延長で27か月分):
- ベーシック: 月あたり580円 (最初の27か月で15,660円)
- コンプリート: 月あたり680円 (同18,360円)
- エリート: 月あたり980円 (同26,460円)
1年プラン (初回は3か月延長で15か月分):
- ベーシック: 月あたり780円 (最初の15か月で11,700円)
- コンプリート: 月あたり980円 (同14,700円)
- エリート: 月あたり1,280円 (同19,200円)
1か月プラン:
- ベーシック: 2,280円/月
- コンプリート: 3,080円/月
- エリート: 3,380円/月
ここで正直に書いておきたいのが更新価格です。初回割引が大きい分、更新時はベーシックで年21,960円、コンプリートで年34,680円、エリートで年45,960円と、初回の月あたり換算よりかなり上がります。「ずっと月580円」ではない点は、契約前に知っておくべきポイントです。価格はキャンペーンで変動するので、最新の金額は公式サイトで確認してください。
どのプランを選ぶべきか
VPNだけが目的なら、ベーシックで十分です。同時接続は全プランで最大10台、サーバーは7,200台以上・150か国以上 (公式表記) が使えます。
コンプリート以上に付くのは、マルウェア対策や広告・トラッカーブロック、パスワードマネージャー、1TBの暗号化クラウドストレージなどです。セキュリティソフトを別に契約している人は重複するので、ベーシックとの差額に見合うかで判断してください。エリートは専用IP (固定IP) が含まれますが、ゲーム用途では基本的に不要です。
始め方と返金保証
始め方は、公式サイトでプランを選んで契約し、各デバイスにアプリを入れてログイン、接続先の国を選んで接続するだけです。対応はWindows、macOS、Linux、Android、iOS、ルーター、スマートテレビまで幅広くあります。
NordVPNには30日間の返金保証があります。ただしこれは無料トライアルではなく、いったん購入して、合わなければ30日以内にサポートへ連絡して返金を受ける仕組みです。App Store経由で購入した場合はApple側への連絡になる点も、公式FAQに書かれています。
まとめ
- VPNは回線を速くする道具ではなく、IPを隠すことと接続国を変えるための道具
- 配信者・VTuberの身バレ/DDoS対策、離れた友達とのLANプレイ、フリーWi-Fiの安全が、ゲーマーにとっての現実的な使い道
- NordVPNは2年プランで月580円から。ただし更新価格は上がるので、初回価格だけで判断しない
- 30日間返金保証があるので、用途がはっきりしている人は試して合わなければ返金、という進め方ができる


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